2009年8月21日金曜日

「脳を鍛える大人のパズル」〈ドナリー・マーカス著)

 最近、本は、帯で、売れるとさかんに云われますが、正直、日本で、2004年に翻訳されて、この本が出版された時、帯のコピー「視覚パズルが脳に効く! NASAが研修で採用!・生産性が上がる・アイディアが出る・洞察力が身につく」に魅かれて、高島屋新宿店の隣の紀伊国屋書店で、購入したことを記憶しています。
原書の表題は、“RETRAIN YOUR BUSINESS BRAIN”です。直訳すれば、「あなたのビジネス脳を再訓練しなさい!」というところでしょうか。
「はじめに」で、語られているキーワードを引用しますと、「この本は典型的なビジネス書とは違います。」「その代わりに、たくさんの視覚パズル(numerous visual puzzles)を提供します。」
「こうしたパズルを効果的に解くのに求められるスキルが、実は効果的に仕事をするのに必要なスキルと同じであることに気づかれると思います。」
ビジネスは、いろいろなものをそぎ落としていくと、中核にあるのは、「投資とリターン」のパズルということも言えそうです。
『キャストパズル』を見て,端から、「こう云うのって、苦手なんだ」というビジネスマンには、「仕事のパズルで、手一杯ですもんね!」といってあげることにしています。
著者は、大学の教育学部で学士号、修士号をとり、教師としての社会人生活をスタートします。いつも、もっと効果的な教え方があるはずだと考え続けます。そして出会ったのが、フォイヤーシュタイン博士の研究であったといいます。「その理論とは、人は他者からの意図的で系統立った介入があるときにもっとも効果的に学習する。」というものです。博士はこの介入プロセスを「媒介(メディエーション)」と名づけました。」この言葉だけ引用されても何のことか理解しにくいと思います。
第3章の媒介の説明を見てみましょう。「媒介とは、具体的に何かを教えるのではなく、考え方の前提を問いかけたり、説明を求めたり、別の案を提示したりして、推論のプロセスを通じて相手を導くことです。」
『キャストパズル』の解答図、解答書の類を付けないという基本的な考え方を尊重しつつ、『キャストパズル』の魅力を引き出し、『キャストパズル』で遊ぶ人の満足度を高めるのは、適切な媒介(メディエーション)の存在ではないでしょうか。
当方の『キャストパズル』についてのコメントが、多少なりとも、そのメディエーションになれれば、望外の幸せというものです。

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