2012年4月26日木曜日

「事業の定義」は、お手軽に作文することではありません!


「ほとんどの場合、明瞭かつ一貫性のある有効な事業定義にたどりつくには、長い時間をかけた作業と思考と実験を必要とする。」とドラッカー氏は明言しています。

また、有効な事業定義の第一条件として、「自らの環境、使命、中核的な卓越性についての前提のそれぞれが、現実に適合したものでなければならない。」としています。そして、イギリスのマークス・アンド・スペンサーの事例をあげています。

「それまで、商人にとって中核的な卓越性は買いつけの能力にあった。しかしマークス・アンド・スペンサーは、顧客を知っているのはメーカーではなく、自分たち商人であると考えた。そしてそうであれば、メーカーではなく商人が製品の設計と開発を行い、設計と仕様とコストに合う商品をつくるメーカーを見つけなければならない。
マークス・アンド・スペンサーが、それまで流通の下請けになることなど夢にも思っていなかった取引先に対して、この定義を受け入れさせるには,五年から八年を要した。」としています。

ですから、「事業定義」は、むしろ組織の活動、行動の思考方法として意味があると言えます。明文化されていなくても、ドラッカー流の「事業定義」の思考に基づいて、組織が行動し、試行錯誤をしているプロセスが重要です。

「事業定義」を明文化することが、目的化すれば、まったくの本末転倒です。

(「ロゴQ」は、A・Tコミュニケーションズ株式会社の登録商標です。)

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