2009年12月11日金曜日

「ザッポス」と「ザ・リッツカールトン」の対比(その4)


「ザッポスの奇跡」の著者は、ザッポスが「コア・バリュー」を中心にして、なぜ、「コールセンター」と言わずに「コレクトセンター」と呼ぶのか、なぜ「一コール当たりの処理時間を測らない」のか、「超サービス的人材を発掘する人事部門」「サービスの魂を学ぶ、四週間の手作りトレーニング」「カスタマー・サービスの既成概念を破るCLT(カスタマー・ロイヤリティー・チーム)実習」「学べば、学ぶほど報われる17のスキル取得に基づく昇級システム」などなど全編にわたって、丁寧に、事実をレポートしてくれている。
これらの一つ一つが、ザッポスの企業活動(アクティビティー)です。
戦略論で著名なマイケルポーターの考え方に基づいて、ザッポスの一つ一つの活動をマップにして行くと、それぞれの活動が、相互に見事にフィット(適合)していることが明確になってきます。
それは、「コア・バリュー」の10項目が、徹底的に、すべての企業活動にわたって、具現化されているからでしょう。
著者は、ザッポスの本質を具体的な企業活動の事実で、明確にえがきだしてくれています。

2009年12月7日月曜日

「ザッポス」と「ザ・リッツカールトン」の対比(その3)


「ザッポス」のサービスに対する価値基準の違いは、「ザッポス」に転職してきた社員をも驚かせます。
「『ザッポスが他社と違うところ……。そうね、いろいろあるけど、中でも一番驚いたのは、処理時間を測らないこと』 処理時間というのは、オペレーターがコール一件あたりに費やす通話時間と、その後のデータ・エントリーなどに費やす後処理時間を足したもので、普通のコンタクトセンターでは、オペレーターの生産性を測る一般的な指標として用いられている」
「ザッポスではこの数値を指標としていない。問題の解決にたどり着き、顧客を満足させるためには、たとえ何時間でも費やすことがよしとされているのだ」
「何をもって指標にしているかというと、『顧客を満足させるために、“普通”を超越するサービスを提供できたか否か』だという」
「基本的に、社内チームによる評価と、顧客による評価、の二通りです」(P40,41)
通常、オペレーターのコール一件あたりの処理時間は、オペレーターの生産性を測る一般的な指標です。
ザッポスでは、この処理時間を評価の指標にしていません。だからといって、指標をもっていないのではなく。まったく逆です。
独自の価値基準による、ザッポス固有の指標を創出しています。
著者は、ザッポスを「測って、測って、測りまくる」「その外見からは予想もつかないほど、指標徹底型(メトリックス・インセンティブ)な会社なのだ」(P103)とその本質を指摘しています。
違った指標をもつことが重要であることを、わかり易くするために、メジャーリーグの事例を見てみましょう。
2007年レッドソックスはMLBの頂点、ワールド・シリーズを制覇しました。松坂大輔の活躍はもとよりですが、岡島秀樹の貢献も大きなものがありました。
松坂のメジャー行きは、野球ファンを超えて、話題にもなり、注目を集めました。一方、岡島のレッドソックスとの契約は、それほど華々しいニュースにはなりませんでした。当初、アメリカのメディアは、「松坂の話相手」と評し、岡島の評価は、決して高いものではありませんでした。
しかし、後日、NHKの取材に応じて、レッドソックスは、岡島をどのような指標で、評価し、契約したかを明らかにしました。
レッドソックスは、岡島の投球データーの奪三振/与四球(K/BB)の指標に注目したといいます。即ち、四球一つについて、三振をいくつ取れるかという指標です。よいピッチャーの指標は2以上だとされています。フォアボール一つ出すうちに、二つ以上三振が獲れるということです。
岡島投手の巨人時代の最終年(2005年)の防御率、4.75、K/BB、2.9
2006年日本ハムに移籍になり、防御率、2.14、K/BB、4.5の好成績を残し、日本ハムの優勝および日本一に貢献しました。
レッドソックス一年目(2007年)防御率、2.2、K/BB、3.7、期待に違わない好成績で、ワールド・シリーズ制覇に貢献しました。
岡島のK/BBの高い実績を評価したレッドソックスの評価基準の勝利とも言えそうです。

2009年12月1日火曜日

「ザッポス」と「ザ・リッツカールトン」の対比(その2)


最近、日本の書籍業界では、「本は、帯とPOPで売れる」とか言われています。その是非は、ともかく「ザッポスの奇跡」の帯には、「驚異的な成長の秘密は『企業文化』にあった!」とあります。
確かに、この本で、著者が言いたいことを一言で表現しています。
その企業文化の基軸になっているのが「ザッポス」では、「コア・バリュー」です。「ザ・リッツカールトン」では、「クレド」を中心にした「従業員への約束」「サービスの3ステップ」「ザ・リッツカールトン・ベーシック」でしょう。
この点、両社のビジネスの違い、歴史の違いもあるのでしょうが、「ザッポス」の方が、実に、シンプルです。
「サービス」という言葉は、とても、長い歴史の中で、その時代、時代で、使用されてきたため、今では、使う人がいろいろな意味で使用しています。とても曖昧な意味の言葉になっています。
ここは、常套手段で、「広辞苑」の<サービス>の解説を確認してみましょう。「①奉仕。②給仕。接待。③商店で値引きしたり、客の便宜をはかったりすること。④物質的生産過程以外で機能する労働。用役。用務。」とあります。日本を代表する辞典では、このような解説になっています。
これは、これでおいて置いて、「ザッポス」のサービス観を「コア・バリュー」に見てみます。
「コア・バリュー」は、10項目に集約されています。
そして、さらに、読み取ってみますと、「ザッポス」の目指す[what to do ]は第1項だけです。
「サービスを通して、WOW(驚嘆)を届けよ」(Deliver WOW Through Service)です。
あとの9項目は、すべて、このことを達成するための「ザッポス」流の[how to do]です。
ということは「ザッポスのサービス」の目指しているところは、広辞苑で示されている狭義のサービスではなく。最も広義なサービス、言い換えれば、ザッポスの企業活動すべてを「サービス」という言葉で表しているといえます。
このことは、マーケティングの専門家、フィリップ・コトラーの「製品」についてのコンセプトと相通じるものがあります。
コトラーは、製品を5次元で説明しています。
第一の次元は、中核ベネフィット(便益)です。家庭用の電気洗濯機は、物を洗ってきれいにするという便益を求めています。
第二の次元は、洗濯する基本的な機能をシステム化、機械化した段階が、「一般製品」です。
第三の次元は、消費者が期待する属性と条件の組み合わせである「期待された製品」です。例えば、乾燥まで、自動的に済ませてしまう洗濯機です。
第四の次元は、配送、据付、アフターサービスなどを含む「拡大された製品」です。
第五の次元は、製品の将来のあり方を示す「潜在的製品」です。
これが、コトラーの製品についての考え方です。「一般製品」と「サービス」が渾然一体となっています。その「一般製品」の中核は、ベネフィットです。コトラーは、本によっては、中核ベネフィットのところを、「サービス」としているケースもあります。ということは、根源的には、広義の製品は、広義のサービスと言い換えることが出来るといえます。
日頃から、「商品」と「サービス」と対極にあるように表現していますが、実は、「商品」と「サービス」の根源にあるのは、中核的ベネフィット〈便益)であります。
今一度、確認してみます。「サービスを通して、WOW(驚嘆〉を届けよ」です。「素晴らしいサービスを届けよ」ではないのです。「サービスを唯一の手段にして、WOW(驚嘆)を届けよ」です。
これは、同じように見えるが、違うのです。「素晴らしいサービス」というのは、提供者サイドの単なる想い込みに過ぎないことの可能性もあります。WOWを感じるかどうかは、お客様に主体性があるわけです。
ですから、提供者側が、どんなに素晴らしいサービスだと考えていても、肝心のお客様にWOWを感じてもらえなければ、ザッポスでは高く評価しないのでしょう。
本書では、著者が、鋭く、ザッポスの価値基準の違いを随所に指摘しています。この価値基準の違いも「ザッポス」のノードストロームを超えるサービスという定評に結果、結びついています。

2009年11月26日木曜日

「ザッポス」と「ザ・リッツカールトン」の対比(その1)


サービス経済時代は、文字通り、サービスの卓越性で、競争する時代になりました。この点から、サービスのよさで定評のある「ザッポス」及び「ザ・リッカールトン」にはたくさんのヒントを得ることが出来ます。
「ザッポスの奇跡」(石塚 しのぶ著、東京図書出版会)で、著者が最も強く指摘していることは、「組織メンバーの全員に、企業の理念、使命を明確に、周知徹底させていること」です。
「ザッポス」では1999年に創業して、2005年にいたって、「そろそろ、ザッポスでもカルチャーを正式に定義する時期が来た」とCEOトニー・シェイ氏が考えはじめたとあります。そして、出来上がったのが、「10のコアバリュー」です。興味深いのは、このコア・バリューの創られていくプロセスです。
社内のマネージャー・クラス全員に、一通のEメールを送ることから始まり、次第に、全社員を巻き込む形で、約一年の時間をかけて、10のコア・バリューと成文化されて行きます。
そして、コア・バリューが単なる額に収まっている標語であったり、朝礼で、唱和はされるが、次第に形骸化していく類のものではなく。「ザッポスのコア・バリュー」が日常の企業行動の判断基準、指針になっている状況を事実に基づいて、丁寧にレポートしてくれています。
本書において、「ザ・リッツカールトン」の「クレド(信条)」が、カルチャー育成に同様な働きをしていると指摘されています。
 高野 登氏の著書(「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」〈かんき出版〉)によると、「・・・会社をスタートさせた1984年、W・B・ジョンソンのもとに集まった五人のホテリエたちは、『リッツ・カールトンはお客様や従業員にとってどんな存在であるべきなのか。そのために私たちは何をなすべきなのか』ということを徹底的に話し合いました。そしてその結果を一枚の紙にまとめあげました。
その内容こそがクレドです。つまりクレドとはリッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観であり、時流や地域性に左右される性質のものではないのです。」とあります。
ザ・リッツカールトンは、ホテルという伝統的なビジネスにおける卓越したサービスへの挑戦であります。一方、ザッポスは、最初、靴のネット販売からスタートしました。
今までにない新しいビジネスの創造における、卓越したサービスの実現です。この両社における基本的な構造的違いを比較しながら、読み進めると、さらに多くのヒントを読み取ることが出来ます。
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2009年11月20日金曜日

「ザッポスの奇跡」(石塚 しのぶ著)が出版されました!


「感動サービス時代の幕開け」と題して、9月19に、このブログで紹介いたしましたが、いよいよ、11月、「ザッポスの奇跡」「アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは」(石塚 しのぶ著 リフレ出版)が発売されました。
「ザッポス」は、日本では、まだ馴染みの少ない存在ですが、米国では、革新的な企業として、大変話題になっているようです。
1999年、靴のネット販売からスタートし、ここ10年間で、日本円にして、約1000億円の売上規模に、急成長をとげています。
通常、経営では、急成長すると、サービスの劣化を伴いがちですが、「ザッポス」は、サービスに定評のある米国の百貨店「ノードストローム」のサービスを超えていると顧客から評価されています。
長年にわたって、日米間のビジネスコンサルタントとして、著者は、活躍をされてきました。
常に、文化の違う人たちと、理想のビジネスが何であるかを追い求めてこられました。経営、マネジメントに、常に、高い問題意識を持ち続けてきたことがバックグラウンドにあって、「ザッポス」のCEOトニーシェイ氏と運命的な出会いをします。
「ザッポス」に、著者が求め続けてきた経営の核心を洞察され、「ザッポス」に一つの答えを見出されたのだと思います。
現場へ足を運び、直に視、直接コミュニケーションをとられました。著者が捉えた「ザッポス」の事実を、広く伝えることを、自らのミッションと確信されて、執筆に取り組まれた情熱が全編から感じ取ることが出来ます。
本書は、決して、大部ではありませんが、わかりやすく、これからの経営、マネジメントについて多くのヒントを提供してくれています。
その最たるものは、現在、起きている21世紀のビジネスの大地殻変動の本質的な理解を促してくれていることです。
サービスの本は、世の中に数多ありますが、サービスを経営の視点で捉えている本は多くはありません。
本書は、その中にあって、顧客視点、サービス経営視点からの良書であるといえます。
引き続き、今後、このブログで、本書に関連した「麻家戸ゲンバ」の感想を掲載して行きます。
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2009年11月12日木曜日

「キャスト デュエット」の多様な遊び方!


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「キャスト デュエット」は難易度表示のサイの目は、⑤で、かなり難しいにランク付けされています。ただ、通常の「解く」「元に戻す」だけでしたら、そんなに難しいほうではありません。
ノーヒントで、ここまででしたら、評価は、100ゲンバです。

ただし、パッケージの解説に「・・・・格子にサイの目で示した4ヶ所の各交差点でも2個のリングを合わせてみてほしい。目の数が多い交差点を目指すほど、難易度が上がる。」とあります。
この段階まで、ノーヒントで、すべてクリアーできますと、評価は、150ゲンバとさせていただきます。

これ以降はヒントになります。
「キャスト デュエット」は、典型的なプロセス系のパズルです。従って、ドナリー・マーカス推奨のセルフ・メディエーションの活用が有効になります。(「セルフ・メディエーション」につきましては、以前に、ブログに書きました。さらに、興味のある方は、「脳を鍛える大人のパズル」ドナリー・マーカス著、中経出版をご参照ください。)

当方流を、ヒントとして、述べてみます。格子本体の溝の多い方をA面(HANATAMAの刻印があります)とします。溝の少ない方をB面とします。A面のすべての溝に、1~20の番号を付けます。B面の溝に、A~Nのアルファベットの記号をつけます。
まず、格子の周りを観察すれば、C環の出入り口の推測はつきます。
あとは、格子の溝をC環の突起が、通過する状況を、記録して行きます。同型の二つのC環ですが、向きが向かい合わせで、方向が違っていますので、「解」のプロセスは、違っています。
それぞれに、あらゆるルートの可能性を記録して行きます。
あとで、記録を読み取り、無駄の動きを排除すれば、最短のプロセスを把握できます。

ここまでのヒントで、すべてのミッションをクリアできれば、130ゲンバとさせていただきました。



2009年11月10日火曜日

「キャスト ヘリックス」の二個目を購入しました。


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先日、池袋へ出たとき、池袋ロフトで、「キャスト ヘリックス」の二個目を購入してきました。
いつものことながら、「キャストパズル」の出来が素晴らしいので、何回も繰り返し楽しんでいました。
「解」のピンポイントの位置は分かっていても、そのピンポイントへ誘導する方法がなかなか見えませんでした。
何度も繰り返し、やり続ければ、自ずと見えてきます。パズルでも、仕事でも、とにかく行動すること、やり続けることで、自然と解決のめどが立つというのも、脳のはたらきの不思議なところなのでしょうか。
茂木先生に聞いてみたいと思います。
ところが、あまり何度もいろいろなことを試したせいか、作意解と思われる近辺で、一箇所だけですが、別解の可能性が出てきました。
このことを新しい商品で、確認してみようと、二個目を購入してきました。
早速、試してみましたが、新しい商品では、別解はありませんでした。やはり、あまりいろいろ試行しているうちに、ほんの少しの磨耗が生じたのが別解の原因ではないかと推測しています。