2009年11月26日木曜日

「ザッポス」と「ザ・リッツカールトン」の対比(その1)


サービス経済時代は、文字通り、サービスの卓越性で、競争する時代になりました。この点から、サービスのよさで定評のある「ザッポス」及び「ザ・リッカールトン」にはたくさんのヒントを得ることが出来ます。
「ザッポスの奇跡」(石塚 しのぶ著、東京図書出版会)で、著者が最も強く指摘していることは、「組織メンバーの全員に、企業の理念、使命を明確に、周知徹底させていること」です。
「ザッポス」では1999年に創業して、2005年にいたって、「そろそろ、ザッポスでもカルチャーを正式に定義する時期が来た」とCEOトニー・シェイ氏が考えはじめたとあります。そして、出来上がったのが、「10のコアバリュー」です。興味深いのは、このコア・バリューの創られていくプロセスです。
社内のマネージャー・クラス全員に、一通のEメールを送ることから始まり、次第に、全社員を巻き込む形で、約一年の時間をかけて、10のコア・バリューと成文化されて行きます。
そして、コア・バリューが単なる額に収まっている標語であったり、朝礼で、唱和はされるが、次第に形骸化していく類のものではなく。「ザッポスのコア・バリュー」が日常の企業行動の判断基準、指針になっている状況を事実に基づいて、丁寧にレポートしてくれています。
本書において、「ザ・リッツカールトン」の「クレド(信条)」が、カルチャー育成に同様な働きをしていると指摘されています。
 高野 登氏の著書(「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」〈かんき出版〉)によると、「・・・会社をスタートさせた1984年、W・B・ジョンソンのもとに集まった五人のホテリエたちは、『リッツ・カールトンはお客様や従業員にとってどんな存在であるべきなのか。そのために私たちは何をなすべきなのか』ということを徹底的に話し合いました。そしてその結果を一枚の紙にまとめあげました。
その内容こそがクレドです。つまりクレドとはリッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観であり、時流や地域性に左右される性質のものではないのです。」とあります。
ザ・リッツカールトンは、ホテルという伝統的なビジネスにおける卓越したサービスへの挑戦であります。一方、ザッポスは、最初、靴のネット販売からスタートしました。
今までにない新しいビジネスの創造における、卓越したサービスの実現です。この両社における基本的な構造的違いを比較しながら、読み進めると、さらに多くのヒントを読み取ることが出来ます。
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